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大阪地方裁判所 平成4年(ワ)63号 判決 1992年10月15日

大阪市西成区山王一丁目九番七号

原告

北畑靜子

大阪市西成区山王一丁目九番七号

原告

北畑實

東京都千代田区霞が関一丁目一番一号

被告

右代表者法務大臣

田原隆

右指定代理人

竹本健

金政真人

池上佳秀

前田登

山田弘一

主文

一  原告らの請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第一請求

一  被告は、原告北畑靜子に対し、四〇万三五二二円及びこれに対する平成四年六月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告は、原告北畑實に対し、一万六七五一円及びこれに対する平成四年六月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

一  本件は、原告ら各自が、物品を購入するに際し、代金とともに支払った消費税額相当分につき、被告が法律上の根拠なく不当に利得したとして、被告に対し、その返還を求めた事案である。

二  原告らが支払ったと主張する消費税額相当分は、別表記載のとおりであった。

三  原告らは、「原告らが右のとおり消費税相当額を支払った物品(以下「本件各物品」という。)は、すべて古物営業法一案一項にいう「古物」であって、このような「古物」については、消費税を賦課すべきではない。また、古物営業法は、消費税法上の条項にいう消費税を免除する旨の「その他の法律」に当たり、古物営業法上の「古物」については、消費税は免除されるべきであり、その課税は違法である。したがって、被告の利得は法律上の根拠を欠く。」と主張する。

第三判断

一  仮に、原告らが、国内において本件各物品を購入するに際し、売主に対し、消費税額相当分を支払い、またこの消費税額相当分について、被告が消費税として徴収し、さらに、原告らの右消費税額相当分の支払と被告の右消費税徴収との間に因果関係が存在するとき前提に立ったとしても、被告による消費税の右徴収は法律上の原因を欠くとの原告の主張(第二の三)は、以下のとおり失当であって、不当利得には当たらない。

すなわち、消費税法上、古物営業法一条一項にいう「古物」について消費税を賦課しない旨の規定は存しない。また、古物営業法にも、同旨の規定はなく、同法が消費税法上の条項にいう消費税を免除する旨の「その他の法律」には当たらないことは明らかであり、そのほか、古物営業法上の「古物」について消費税を免除する旨の法律の規定は存しない。さらに、消費税の性格上、明文の規定がなくとも、古物営業法上の「古物」については、消費税を賦課すべきでないと解する根拠も見い出し難い。

二  したがって、原告らの請求は理由がない。

なお、原告らの請求が、不法行為に基づく損害賠償を請求する趣旨を含むものであったとしても、前記のとおり、被告の消費税法に基づく消費税の徴収には何ら違法な点はなく、いずれにしても原告らの請求は認められない。

(裁判長裁判官 福富昌昭 裁判官 森義之 裁判官 古閑裕二)

月・日 全購入金額 北畑靜子購入分 消費税額 北畑實購入分 消費税額

<省略>

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